『富士の湧水』は、約20年前に産声を上げました。使いまわし容器(リターナブルボトル)とウォーターサーバーの組み合わせでの宅配水事業は、海外では当たり前のように普及していましたが、当時の日本ではまだ珍しいものでした。
当初は、使いまわし容器であるリターナブルボトルを採用し、ごく一握りのお客様に富士山の天然水をお届けする、小さな小さな事業としてスタートしました。
その後、2000年問題を皮切りに、日本人のお水に対する意識はかなり変化しました。
「水と安全は無料」という意識から、「水は買って飲むもの」という意識が徐々に根付いていったのです。
しかも当時は環境問題の意識も高かったので、リターナブルボトルの「使用済みのボトル容器を洗浄して再利用し、新しいお水をボトリングして、お客様にお届けする」というビジネスモデルは、無駄なゴミも出ず、環境にもやさしいということで、多くのお客様にも受け入れられました。
こうして宅配水はだんだんと注目を集めていきました。
『富士の湧水』をご愛飲いただくお客様が増えるにつれ、工場に戻ってくる“汚れのひどい使用済みボトル”の比率も高まっていきました。
使用済みボトルの外側だけではなく、明らかにお水を飲む目的以外に使用されたボトルも見受けられました。
お客様の安全と衛生面を考えると、いくら洗浄して再利用するといっても、汚れがひどいボトルにお水をつめて、お客様にお届けするわけにはいきません。使用できないボトルは、どんどん廃棄していくことにしました。
本来、リターナブルボトルは、再利用ができてゴミが出ず、環境にも良い商品であるべきです。ですが、リターナブルボトルを使えば使うほど、逆にゴミを増やしてしまうことになってしまいました。
しかも、使用済みのリターナブルボトルを、お客様にお届けできる状態にまで丁寧に洗浄しようとすると、12リットルのお水を1本ボトリングするために、約40リットルもの富士山の貴重な資源を無駄にしていたのです。
リターナブルボトルは廃棄率が高い上に、洗浄するのに余分なお水を使ってしまう・・・。
『富士の湧水』はリターナブルボトルを利用した宅配水事業は、思っていたほど環境に良いものではなんじゃないか?と考え始めました。
使用済みボトルの汚れの問題、廃棄ボトルが増え続ける現実、使用済みボトルの洗浄に膨大な水資源を消費しなければならない事実・・・。
これらの問題を前にして、「本当にお客様にとって安全・安心で、しかも環境にも良い商品をお届けしたい」「富士山の最高峰の天然水のおいしさを生かした状態で、お客様に飲んでいただきたい」という想いを両立するには、リターナブルボトルの利用を全面的に取りやめることがベストだと判断しました。
すでにリターナブルボトルに慣れているお客様に、新しい容器に切り替えてもらうのは、生半可なことではないことは分かっていましたが、一大決心し、新容器「D−パック」の開発をすすめていきました。
いくつもの試行錯誤の結果、やっと完成したのが、新容器「D-パック」でした。
D-パックの特徴は、「使いきり」にしたことです。
一回一回使いきりのタイプにしたため、リターナブルボトルを再利用した際の、汚れの心配も無くなりました。
容器の中に空気が入りにくい構造になったので、お水が酸化せず、最後まで新鮮な状態で飲みきっていただけるようになりました。
ダンボールはほぼ100%資源ごみとして再利用され、ポリエチレンも焼却場の燃料として有効利用されるので、工場側で廃棄していた大量のリターナブルボトルのことを考えると、はるかにエコになりました。
リターナブルボトルを洗浄するために大量の水を使うことも無くなり、貴重な富士山の水資源を守ることにもつながりました。
今までの再利用から、リサイクルという方式に発想を転換したことで、環境にも配慮しつつ、衛生面も格段に向上し、そして何より最高峰の富士山の天然水を、お客様のご家庭まで、安全・安心・新鮮な状態でお届けすることができるようになりました。
イワタニの水『富士の湧水』は、今までの多くの経験をいかし、
これからもよりよい商品を提供できるよう、進化し続けることを約束します。
そして何よりも
安心でおいしい天然水を、お客様にお届けすること
天然水を毎日飲んでいただくことを通して、お客様に健康な生活をおくっていただくこと
この想いを常に忘れず、今後も事業に邁進していきたいと思います。